2011年1月28日金曜日

"数学読本〈6〉線形写像・1次変換/数論へのプレリュード/集合論へのプレリュード など"の第22章(図形の変換方法 - 線形写像・1次変換)の22.3(1次変換によるいろいろな図形の像), 固有値と固有ベクトルの問25, 26を解いてみる。



問25

(1)

問題の行列の固有多項式は

det
x-2 -1
-2 x-3

=x^{2}-5x+4

で2次方程式

x^{2}-5x+4=0

を解くと

x=1, 4

よって求める固有値は1および4。

固有値1に対する固有ベクトルを求める。

2x_{1}+x_{2}=x_{1}

2x_{1}+3x_{2}=x_{2}

これを整理すると、

x_{1}+x_{2}=0

2x_{1}+2x_{2}=0

よって固有値1に対する固有ベクトルはcを0でない任意の実数として


1
-1

また、固有値4に対する固有ベクトルは

2x_{1}+x_{2}=4x_{1}

2x_{1}+3x_{2}=4x_{2}

これを整理すると

-2x_{1}+x_{2}=0

2x_{1}-x_{2}=0

よって求める固有値4に対する固有ベクトルはcを0でない実数として


1
2

(2)

固有多項式

det
x-1 1
-2 x-3

=x^{2}-4x+5

2次方程式

x^{2}-4x+5=0

4-5=-1<0

よって固有値をもたない。

(3)

固有多項式

det
x-5 6
-3 x+4

=x^{2}-x-2

2次方程式

x^{2}-x-2=0

を解くと、

x=-1,2

よって求める固有値は-1および2。

固有値-1に対する固有ベクトルを求める。

5x_{1}-6x_{2}=-x_{1}

3x_{1}-4x_{2}=-x_{2}


6x_{1}-6x_{2}=0

3x_{1}-3x_{2}=0

よって固有値-1に対する固有ベクトルはcを0でない任意の実数として


1
1

となる。

固有値2に対する固有ベクトルを求める。

5x_{1}-6x_{2}=2x_{1}

3x_{1}-4x_{2}=2x_{2}


3x_{1}-6x_{2}=0

よって固有値2に対する固有ベクトルはcを0でない任意の実数として


2
1

(4)

固有多項式

det
x-2 -1
-1 x-2

=x^{2}-4x+3

2次方程式

x^{2}-4x+3=0

を解くと、

x=1,3

よって求める固有値は1および3。

固有値1に対する固有ベクトルを求める。

2x_{1}+x_{2}=x_{1}

x_{1}+2x_{2}=x_{2}

よって固有値1に対する固有ベクトルはcを0でない任意の実数として


1
-1

となる。

固有値3に対する固有ベクトルを求める。

2x_{1}+x_{2}=3x_{1}

x_{1}+2x_{2}=3x_{2}

よって求める固有ベクトルはcを0でない任意の実数として


1
1

となる。

(5)

固有多項式

det
x-3 -1
1 x-1

=x^{2}-4x+4

2次方程式

x^{2}-4x+4=0

を解くと、

x=2

よって固有値は2。

固有値2に対する固有ベクトルを求める。

3x_{1}+x_{2}=2x_{1}

-x_{1}+x_{2}=2x_{2}

よって求める固有ベクトルはcを0でない任意の実数として


1
-1

となる。

(6)

固有多項式

det
x-1 1
-2 x+1

=x^{2}+1

よって固有値を持たない。


問26

(1)

ベクトル(1,-1)は固有値1に対する固有ベクトルなので、直線

y=-x

上の点はすべて不動点。

不動直線は

y=-x, y=2x+n (nは任意)

(2)

ない。

(3)

不動点はない。

不動直線は

y=x, y1/2 x

(4)

直線

y=-x

上の点はすべて不動点。

不動直線は

y=-x, y=x+n (nは任意)

(5)

不動点はない。

不動直線は

y=-x

(6)

ない。

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