2011年2月13日日曜日

"数学読本〈6〉線形写像・1次変換/数論へのプレリュード/集合論へのプレリュード など"の第25章(解析学の基礎へのアプローチ - εとδ)の25.1(数列の極限), いくつかの性質の証明の問1, 2を解いてみる。


問1

β-α=γ, c_{n}=b_{n}-a_{n}>=0

\beta-\alpha=\gamma,\ c_{n}=b_{n}-a_{n}\geq 0

とおく。このとき、c_{n}はnが無限大に発散する時、γに収束する。

\lim_{n\rightarrow\infty}{c_{n}}=\gamma

ここで、γが負である

\gamma<0

と仮定すると、-γは正となる。

-\gamma>0

よってある自然数n_{0}が存在して、この自然数より大きいすべての自然数nに対して|c_{n}-γ|<-γとなる。

\forall n\in \exists n_{0}\in N[n>n_{0}\Rightarrow |c_{n}-\gamma|<-\gamma]

すなわち、

c_{n}-γ<-γ,c_{n}<0

c_{n}-\gamma<-\gamma,c_{n}<0

となる。これは、c_{n}>=0

c_{n}\geq0

という仮定に反する。よって矛盾。

ゆえに、β-α=γ>=0となる。

\beta-\alpha\geq0,\ \beta\geq\alpha

(証明終)


問2

問題の仮定より、任意の自然数n、任意の実数ε(>0)に対して、ある自然数n_{0}が存在して、n>n_{0}ならば、|a_{n}-α|<εとなる。

\forall n\in N\forall\epsilon\in R(\epsilon>0)\exists n_{0}\in N\\
[n>n_{0}\Rightarrow |a_{n}-\alpha|<\epsilon]

ここで、よってn>=n_{0}ならば、

|\sqrt{a_{n}}-\sqrt{\alpha}|

=\frac{|a_{n}-\alpha|}{\sqrt{a_{n}}+\sqrt{\alpha}}<\frac{\epsilon}{\sqrt{a_{n}}+\sqrt{\alpha}}

となる。さらに、ある自然数n_{1}が存在して、n>n_{1}ならば、

a_{n}>α/2

となる。よってN=max{n_{0},n_{1}}とすれば、n>Nのとき、

|\sqrt{a_{n}}-\sqrt{\alpha}|<\frac{\epsilon}{\frac{\alpha}{2}+\sqrt{\alpha} ・・・①

よって、

\lim_{n\rightarrow\infty}{\sqrt{a_{n}}=\sqrt{\alpha}

となる。(εのとりかたを工夫すれば、①はもっとすっきりとした結果になるけど省略。)

(証明終)

しばらくε、δによる極限の厳密な証明から離れていたので慣れるまで少し時間がかかりそう。焦らずのんびり楽しみながら進める!

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