2011年2月14日月曜日

"数学読本〈6〉線形写像・1次変換/数論へのプレリュード/集合論へのプレリュード など"の第25章(解析学の基礎へのアプローチ - εとδ)の25.1(数列の極限), 単調有界数列は収束する!の問3, 4, 5を解いてみる。


問3

0<s\leq 2

のとき、問題の数列は単調増加で、すべてのn(n=1, 2, ・・・)に対して、

a_{n}\leq 2

となるので上に有界である。よって単調増加で上に有界なので収束する。

2<s

のとき、問題の数列は単調減少で、すべてのn(=1, 2, ・・・)に対して、

a_{n}\geq 2

となるので下に有界である。よって単調減少で下の有界なので収束する。

そして、その求める極限は、

\lim_{n\rightarrow\infty}{a_{n}}=\frac{1+\sqrt{1+4s}}{2}


問4

(1)

a_{1}\geq a_{2}\geq\ \cdot\ \cdot\ \cdot\ \geq a_{n}\geq\ \cdot\ \cdot\ \cdot
            \geq b_{n}\geq\ \cdot\ \cdot\ \geq b_{2}\geq b_{1}

が成り立つと仮定すると、相加平均>=相乗平均より、

a_{n}\geq \frac{a_{n}+b_{n}}{2}\geq\sqrt{a_{n}b_{n}}\geq\sqrt{b_{n}^{2}}=b_{n}

すなわち、

a_{n}\geq a_{n+1}\geq b_{n+1}\geq b_{n}

となる。よって帰納法よりすべてのn(=1, 2, ・・・)に対して成り立つ。

(証明終)

(2)

数列

\left{a_{n}\right},\ \left{b_{n}\right}

はそれぞれ単調減少で下に有界、単調増加で上に有界なので収束する。その極限値をそれぞれα、βとおくと、

α=(α+β)/2

α=β

(証明終)


問5

nを

n\leq x< n+1

を満たす自然数とすれば、

(1+\frac{1}{n+1})^{n}<(1+\frac{1}{x})^{x}<(1+\frac{1}{n})^{n+1}

となる。

また、xが無限大に発散する時、nも無限大に発散する。

ここで左辺について、

\lim_{n\rightarrow\infty}{(1+\frac{1}{n+1})^{n+1}(1+\frac{1}{n+1})^{-1}}=e

右辺について、

\lim_{n\rightarrow\infty}{(1+\frac{1}{n})^{n}(1+\frac{1}{n})=e

ゆえに、

\lim_{x\rightarrow\infty}{(1+\frac{1}{x})^{x}}=e

が成り立つ。

(証明終)

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