2011年3月11日金曜日

"解析入門〈1〉数/数列と級数/関数の極限と連続性/微分法/各種の初等関数 松坂 和夫 (著) "の第2章(数列と級数)の2.2(数列の収束条件), 問題2.2, 1を解いてみる。



問題2.2

1.

a_{n+1}-a_{n}

=\frac{a_{n}+b_{n}}{2}-a_{n}

=\frac{b_{n}-a_{n}}{2}

n=1のとき、

\frac{b_{1}-a_{1}}{2}=\frac{b-a}{2}<0

n=kのとき、

\frac{b_{k}-a_{k}}{2}<0

b_{k}<a_{k}


が成り立つと仮定すると、

\frac{b_{k+1}-a_{k+1}}{2}

=\frac{\sqrt{a_{k}b_{k}}-\frac{a_{k}+b_{k}}{2}}{2}

<\frac{b_{k}-a_{k}}{2}

<0

また、

a_{n}\geq0

より下に有界。よって数列(a_{n})は単調減少で下に有界なので収束する。その極限値をαとおく。

b_{n+1}-b_{n}=\sqrt{a_{n}b_{n}}-b_{n}

n=1のとき、

b_{2}-b_{1}=\sqrt{a_{1}b_{1}}-b_{1}

=\sqrt{ab}-b>a-b>0

n=kのとき

b_{k+1}-b_{k}=\sqrt{a_{k}b_{k}}-b_{k}>0

が成り立つと仮定すると、

b_{k+2}-b_{k+1}

=\sqrt{a_{k+1}b_{k+1}}-\sqrt{a_{k}b_{k}}

>\sqrt{a_{k+1}b_{k+1}}-b_{k}

=\sqrt{a_{k+1}\sqrt{a_{k}b_{k}}}-b_{k}

>\sqrt{a_{k}b_{k}}-b_{k}=0

また、

\sqrt{a_{n}b_{n}}\leq a

よって、数列(b_{n})は単調増加で上に有界なので収束する。その極限値をβとおく。

極限値α、βを求める。

\alpha=\frac{\alpha+\beta}{2},\ \beta=\sqrt{\alpha\beta}

この連立方程式を解くと、

α=β

となる。ゆえに、2つの数列は同一の極限に収束する。

(証明終)

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