2012年8月30日木曜日

今日読んだ本と感想。

内容紹介

二〇一一年三月一一日、三陸沖を震源とする巨大地震が発生した。東北太平洋岸には大津波が襲来し、福島第一原発では水素爆発が起きた――。この未曽有の大災害に、精神科医で被災地の出身者である著者はどう向き合い、何を伝えようとしてきたのか。本書は、日々深刻化する事態の中で手探りで続けられた全発言のドキュメントである。被災者のこころのケアから原発問題まで、日本社会が直面している課題を浮き彫りにする。

目次

1 3・11とどう向き合ったのか―二〇一一年三月~七月
「復興」の一〇年を若者の希望に
雅子妃への、きわめて控えめな提言
チェルノブイリにはなり得ない ほか
2 原発事故の渦中で―二〇一一年八月~二〇一二年三月
放射能とケガレ
医療ボランティアとして被災地に入って
放射性物質汚染とデモ ほか
3 3・11が問いかけているもの
この一年をふり返って
精神科医として
脱原発と終わらない被災期間

東日本大震災が発生してから起きたことがいろいろ雑多に、ごちゃごちゃっと書かれている感じ。ごちゃごちゃというと良くない印象かもしれないけど、私は逆にそのごちゃごちゃさが本書のいいところに感じた。ある1人の被災者の方の話を書いた内容の本や、あるいは福島原子力発電所での事故のことが詳細に書かれている本だと、読んでるうちに深い悲しみや恐怖を感じたりして読むのが辛くなったりするけどそうならなかったので。震災で起こったいろいろなことを風化させないための本があるとすれば、読み続けても、繰り返し読んでも、その度に精神的に不安にならないですむ必要があると思うけど、本書は1回読んだ今のところはそれに当てはまってる。

著者が医者であり、被災者等の心情を精神医学の観点から説明してくれていて、だからこそ私自身も感情的になりすぎることなく冷静に被災者等の感情や心情、精神状態を考えることができたからというのも理由の1つかも。

そして本書の中で、私が学ぶことができた一番のことは、「被災地の「こころ」にかかわるものには、善意を発揮した「責任」が生ずる。覚悟と根気なしに「こころ」にかかわるべきではない。後腐れのない善意を発揮したい人には「義援金」という方法がある。」ということだった。震災時に自分がその震災を受けてない地域にいたら、被災地の方のために何かをしたいという気持ちがわくのはいいこと、あるいは当然のことだけど、このことは忘れないようにしようと思った。

ということで、東日本大震災のことが自分の中で風化しそうになったら本書を読み返してみたり、あるいは今後震災がどこかで起こって自分が被災者のために何かをしたいと思ったら、自分の実際にしようとしてることが被災地の「こころ」にかかわることなのかよく考えてから行動するように心がけようと決めた今日この頃。

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