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今日読んだ本、微分積分 最高の教科書 本質を理解すれば計算もスラスラできる (サイエンス・アイ新書) (今野 紀雄(著)、SBクリエイティブ)の感想。
微分、積分の意味、そしてその意味からどのように定義していくか、あるいはなぜそのような定義なのかということが良くわかる本。なので、定義や計算の記号や数式により微積分に躓いてしまったという人には、意味を考えイメージしながら理解することができる最適な一冊。
もう少し詳しい内容としては、定義についてε-δ(イプシロン-デルタ)等のより厳密な定義は出てこなくて、あくまで直感的に理解できそうな無限、極限の話まででの定義。このことも、躓いた人に最適な一冊だと思った理由の一つ。記号や数式により微積分に躓いてしまったのに、さらにε-δとかまで出てきたら、躓く以前にそこを通ろうとも思わなくなるかもしれないし。
あと、微積分の計算は得意で、躓く事は無かったという人も一度は読んでみるのが良さそう。というのも、微分や積分の計算ばかりをしているうちに計算は速くできるようになっても、その意味や元々の定義を忘れてしまうということもありそうだから。例えばこちらのような。
一冊全体を通して楽しく読み進めることができたけど、欲を言えば、さらに先に進みたい場合の著者のオススメな書籍などの紹介がちょっとあると嬉しかったかも。例えば最後のコラムに測度論を構築した「ルベーグ積分」のルベーグと出てくるので、何かルベーグ積分の入門書とか。(一応、主な参考文献にアンリ・ルベーグ/著、柴垣 和三雄/訳「量の速度」(みすず書房)とがあったけど、それがあくまで本著の参考文献でオススメな本なのかどうかは分からず。)
ということで、微積分に躓いたわけではないけど、本著のおかげであらためて微積分を機械的に計算してその結果を利用するばかりでなく、実際にその意味を考えたり、元々の定義を考えたりするのは大切だなぁと感じた今日この頃。
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