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今日読んだ本、未来の地図帳 人口減少日本で各地に起きること (講談社現代新書) (河合 雅司(著)、講談社)の感想。
これから日本が高齢化、人口減少していくというのはよく聞くし、その結果どうなるかある程度簡単なことは想像したことはあったり。ただ、それ以上の具体的なことはあまり気にしたことや考えたことがなかったし、また想像に全くないことも統計データ等から予測できることもあるのかなぁと思って本著を読んでみることに。
未来の地図帳とは直接は関係ないけど、現在までの人口推移、移動についてが前半部分に書かれていて面白かった。かなり細かくデータをもとに記述されていて、しかも年齢層やどういった理由で住居の場所を変えているのかを知ることができたから。その理由の中に、あまり想像していなかったこともあったから興味深かった。
後半の、今後それがどう変化していくか、どうなっていくかということとそれに対してどうすれば良いかについては、内容自体は難しい話ではないけど、個人的にどうすれば良いかという視点では難しいことだと感じたり。政治的な話でもあるから。
なので、今後どの地域かは関係なく政治家になろうと志してる人や、すでに政治家の人、あるいは政治活動をしようとしてたりしてる人には参考になることが多そう。一個人としては、選挙の時に投票する目安として参考にする一つの指標として活用できそう。あと、その状況、時代の流れにのって何かビジネスチャンスみたいなものを探している人には役立つかも。
ちょっと気になったこととしては、キツイなぁという表現や、著者の主観による意見もところどころあったところ。具体例としては、
人口減少社会は年々醜くなっていくというところ。人口減少社会が年々進んでいくというならわかるけど、なんでそれを醜くなっていくというのかは共感はできなかったり。
もう一つの例としては、
外国人住民…日本人住民だけの人口増加数を計算し直すと
外国人労働者の受け入れ拡大…安易な手法といったように、何か外国人を遠ざけているような印象を受けること。もちろん外国人労働者の受け入れについては色々な課題があるかもしれないのはわかるけど、住民についてはなぜわざわざ外国人住民をのぞいて日本人住民だけの人口増加数で計算し直すのかは不思議に思ったり。日本は二重国籍を認めてないから外国人住人がどれだけ他の資格を満たしても元の国籍を破棄しない限り日本の国籍は取得できないし、それにその外国人の人達がもし今後日本で結婚して、夫婦になって、子供が産まれてとなれば、その子は日本人なわけだから、あえて日本人住民だけで計算し直す理由が分からなかったり。
後半に部分の今後どうすれば良いかということに関して、人口が減少したことを仮定して話が進んでいくのはよかった。いかに出生率をあげるかという話はよく聞く気がするけど、その話について違和感を感じてたから。もちろん、子供を産みたいけど経済的な理由で産まない選択をしてる人や、他にも何らかの理由で子供を諦めてる人のための制度等の充実はは大事なこと、必要なことだというのはわかるけど、それはあくまでそのような環境が大事なだけであって、仮にそのような環境が十分整った上で出生率を上げようとするのはおかしな感じがするから。子供が望めが授かることができる、安心して子育てができる上で子供を産むか産まないかはそれぞれ個人、夫婦等の勝手、自由だと思うから。出生率をどうしようとするかではなく、現状の出生率の上で今後どうするか考える方がはるかに大切なことだと思うから。(ただ、出生率を上げようとする努力によって実際には出生率が上がるかどうかに関わらず、望ましい社会環境が整っていくとすれば、それは良いことだと思ったり。)
ということで、本著、著者の意図、主旨の未来の地図帳とはちょっと違うかもしれないけど、本著により様々な人達の移動とその理由を知れて良かった今日この頃。
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