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今日読んだ本、米中ハイテク覇権のゆくえ (NHK出版新書) (NHKスペシャル取材班(著)、NHK出版)の感想。
タイトルにゆくえとあったけど、ゆくえというよりは、現在進行形で何が起きてるのかということの内容の割合が大きかった印象。現在の米中の貿易等の対立、摩擦で、それに関わる国々、個々の人々、企業がどのような状況におかれてるか、どのような考えを持っているか、どのような問題が現在進行形で発生してるかという具体的な事例を色々と知ることができる内容だった。
覇権とあるから当然、政治的、あるいは軍事的な話も多かった。その中で興味深かったのは、通称、 海亀 と呼ばれる人達の話。中国で生まれ、アメリカに行き、その後中国に戻る人達の考えについて。
アメリカに行き、そこで生活すると、アメリカの価値観の民主主義や自由といったものに慣れて、中国に戻りたくなくなるってことはないのか気になったけど、そういう人もはっきりとした割合は分から行けどいるということ。本当はアメリカに居たいけど、ビザが切れて戻らなければならない等の理由で、戻りたくないけど戻らざる得ない人がいるということ。その人たちの考えを本著で知ると、政治に対して国民が何かするには中国はあまりにもその距離が遠いという風に感じた。だからと言って、アメリカや日本が政治に対して何かできるかどうかの距離が近いかどうかは分からないけど、それでも選挙権等があるのはありがたいことなのかなぁと実感できた。
もちろん 海亀 と呼ばれる人達全てがそうではなく、望んで中国に戻るという人も沢山いるだろうけど。生まれ故郷と政治制度等で葛藤してる人がいるのかなぁと感じ、もし自分自身がそうなった場合どうするのかちょっと考えるきっかけにもなった。結論が出たわけではないけど。
他に面白いなぁと感じた部分については、後半のブロックチェーンの話について。前半のAI、自動車関連、5Gの話以上に興味が湧いた。
ブロックチェーンは今後様々なこと、予想もつかないことにも使われていくだろうというのは聞いたことあったけど、ビットコイン等の仮想通貨関連の印象が強く、また、実際に使われてる、実用化されてる(ビットコイン等の仮想通貨が実用的かどうかは置いておいて)のは仮想通貨関連くらいなのかなぁと思ってたけど、そうではなかったから、金融関連で実用化されてるという内容もあったけど、それ以上に、金融以外のその他の製品の品質管理、家畜等にも実際に今、活用されているということを知って驚いた。
ブロックチェーンの技術的な点でちょっと気になったこととしては、その利点の一つとして分散ということが強調されていたところ。インターネット自体は分散による冗長性で成功した部分もあるだろうけど、動画について、過去にはいずれ回線が耐え切れなくなるからP2P等の分散の技術が活躍するようになるだろうと言われてたこともあったみたいだけど、少なくともYouTube等の動画配信サービスはP2P等の分散技術は使わずに済んでる(?)から。なので同様にブロックチェーンの分散というのはいずれ意味なくなったり、分散が無くてもなんとかなったりしちゃう可能性がないのか気になったり。
ということで、本著によりニュースでよく見たり聞いたりする米中の貿易等の対立の具体的なこと、その背景にあること、そして個々の事例を知れてよかったし、さらにはブロックチェーンの具体的な実用例のいくつかを知ることができてよかった今日この頃。
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