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今日読んだ本、ヒューマンエラーの心理学 (ちくま新書) (一川誠(著)、筑摩書房)の感想。
最近、車の自動運転技術が話題になってたりするのにちょっと興味があったり。その自動運転の長所の一つが、おそらくヒュマンエラーを避けられるということ。なので、そのヒューマンエラーがどうして起こるのかとか、その他なんで車の自動運転技術が話題になったり、その研究、実用化が活発化してる理由を得られればいいなぁっと思って本著を読んでみることに。
タイトルに心理学とあるものの、最初の方は生物学の話が多かった。途中から少しずつ心理学っぽい話も増えてくる感じ。心理学っぽい話の中に、数学的な話も出てきたり、後半の方ではゲーム理論の話が出てきたりと、色々な分野を横断してる感じの内容で面白かった。心理学の範囲がよくわかってないけど、心理学自体がそういうものなのかも。
心理学についての本ではあるものの、最初の方の生物学の部分の話が興味深かった。感覚、触覚、視覚、嗅覚、味覚、聴覚の人間だけではなく他の生物、動物のを含めた仕組みの話。また、それぞれの感覚、あるいは複数の感覚が同時組み合わさって影響を受ける錯覚の話とか。
徐々に心理学っぽい話になっていくにつれて、具体的なヒューマンエラーの話が増えてきて、そん話の内容が有り難かった。中にはエラーが発生したままでもそんなに問題ないかなぁと思うものもあったけど、実際に問題あるけど今まで気づいてない、自覚がないような例も。また、実際に間違ってるという自覚はあってもどう対処していいかわかってなかった例も。それぞれの例に、エラーを起こすことを自覚した上で、具体的にどう対処すればいいかとか、ヒントとかの解説があったから。
具体的な例の中に、ちょうど最近の選挙運動の話も。選挙カーで名前を連呼するのがうるさい、逆効果じゃないかといった意見を見かけたけど、なぜそのような活動をするのかということ。立候補者側の立場で考えれば、当然どうすれば椅子取りゲームのための票を沢山の得ることができるかを研究してるだろうし、おそらくその結果、逆効果ではなく効果的だからそのような活動をしてるだろうし。逆効果だと思ってる人は、なぜ逆効果どころか効果的なのかの理由を知ることができたり。
また、他に面白かった例としては、直感と確率、数学的な話。例は直感が当てにならないという例の話ではあるけど、例以外には直感が大切な場面も沢山あるだろうなぁと思ったり。だからこそ、直感と検証、論理的、数学的に考えることを切り離さず一緒に考えることが大切なのかなぁと感じた。
後半の終わりの方の内容は、今後、将来、どのようにして個人もそうだけど社会全体でそのヒューマンエラーに対処していくかという話。実際にそうなっていっているものもあるし、その他はあくまで未来予想でしかないかもしれないけど、未来の世界、進歩を垣間見れた気がして楽しかった。
ということで、本著で心理学について知るつもりが、生物学のことなどその他の色々なこともも横断的に、関連しあって知ることができて、一冊でいろいろと楽しめてよかった今日この頃。
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