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今日読んだ本、我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの (ブルーバックス) (藤崎 慎吾(著)、講談社)のの感想。
本著を読み始める前に生命を創るってどういうことかちょっと想像してみた。動物、植物を作ることなのか、あるいは生命は人間の腎臓等の体の一部等のことで再生医療のことなのか、何か別の話なのかとか。他にも動物のことだとしたら、家畜としての動物のことなのか、クローン人間みたいなことなのか、新しい人間一人のことなのかとか。クローン人間や新しい人間一人のことだとしたら、倫理的な問題もありそうだし、もっと単純に不気味だとか気味が悪いとかいう感情が湧いたりした。だから、そういう話ではなければいいなぁと思いながら本著を読み始めた。
内容は、タイトルに生命を創るとあるけど、創ることだけではなく、もっと遡って生命とは何かという話や死とは何かや生命の起源の話。そしてその生命とは何かを色々考えた上で、生命を創るという話がある感じ。なので最初に書いた懸念はなくホッとした。
第一章について、著者は
まだるっこしいと思う読者は、第二章から読みはじめていただいてまったく構わない。というから飛ばして読もうかなとも思ったけど、せっかくだから第一章から順に読んでいくことに。本著を読み終えた後、第一章を読んでよかった。実際にまだるっこしいとは感じなかったし、生命について第一章に書いてあることに深く考えたことがなかったこともあったから、その後の章を読むのにいい予備知識となった。まだるっこしいというのは著者の謙遜なのかも。仮に謙遜でないとしても、その後がより面白くなりそうだから読むのがおすすめ。
内容について、生命とは何かという話や死とは何かについて様々な国、地域、文化での考え方の違いや、法律、医学生物学、あるいは宗教での考え方違い、また個人個人によっても色々な考え方の記述があった。その中には知っていることもあったものの、知らなかった考え方、解釈もあり興味深かった。
本著の内容の多くの割合を占める、合成生物学、生物学、化学、科学の話については、面白いものの、専門用語、カタカナ用語も多く簡単に理解できるような内容ではなかった。ただ、難しいなぁと思う話が続く合間にくせ毛の話、芸術や切り絵の話、X-メンの話、仮想通貨、ビットコインやAI、人工知能といった最近よく聞くような話もあり、イメージしやすいことがちょうどいい感じに登場するから楽しく読み進めることができた。また、文章が堅苦しすぎることなく、明るい人が真面目に書いたちょうどよく読みやすい感じだったのも難しくても読み進めることができた一つの理由。実際に著者の性格がそうなのかどうかは分からないけど。
ということで、本著で期待してた科学的な話を知ることができたのはもちろんだけど、それ以外のも生命、生と死とは何かを考えたり、色々な考え方を知ることができて、自分の中の常識が必ずしも常識ではないということを再確認できてよかった今日この頃。
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