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今日読んだ本、世界遺産: 理想と現実のはざまで (岩波新書) (中村 俊介(著)、岩波書店)の感想。
日本で世界遺産関連で注目を浴びてる地域をニュース等でいくつか見かけたから、ちょっと気になって本著を読んでみることに。と言っても、タイトルからだけではそのことの記述があるか分からないけど。ないとしても、世界遺産にそれほど詳しい訳ではないからそれはそれでよしとすることに。
世界遺産について、ユネスコという組織、団体があって、推薦等があったりして、その後登録されるかされないか決まるってくらいの仕組みは知っていたものの、その詳細は知らなかったけど、本著によりそれを知る事ができたのがよかった。そして、制度や仕組みだけではなく、その過程について実際にどういう議論等が行われているかということもを知る事ができたことも。
それだけではなく、さらに遡って世界遺産、ユネスコというのができた経緯等の歴史なども知れたこともよかったことの一つ。さらにはそれと日本の関係についても。特になぜできたかということはほとんど知らなかった。
そのようなことについて最初のあたりに記述はあり、ここの遺産やその議論についての話が続いていくような内容。その内容の中で、日本の遺産もそうだし日本以外の様々な遺産について知る事ができたのも良かったし、さらにはその中のいくつかについては歴史的、文化的背景、国家間の問題などの遺産の詳細や登録審査の議論の過程も興味深かった。
本著を読むにあたっての注意点としては、はじめにに記述があった、世界遺産のふだん言及されることのないの影の部分に目を向けた本であるということ。落ち込んでるとや精神状態が不安定な時ではなく、客観的に冷静な精神状態な時に読むのが良さそう。特に感情移入しやすかったりする人は。ただ、実際に読んでみて、理解が浅いからかも知れないけど、確かに影の部分の割合が多かったものの、そこまで影に部分ばかりという印象でもなかった。
世界遺産について色々知る事ができて良かったけど、だからと言って世界遺産に対する考え方はそれほど代わりはなかったかも。その遺産の国や地域、特にそこに住んでいる人がどうするか決めればいい事であって、外の人がとやかくいう事ではないのではないかなぁということ。そういう意味では、日本がなかなか条約に参加しなかった、国内に法制度がしっかり敷いてあるのならばあえて世界遺産条約は必要ないって考え方に近いのかも。他の国や地域で、経済的な理由など、何らかの理由で保護したくてもできない状態で、手助けできる余裕があれば手助けすることも大切だと思うから、必要ないとまでは思わないけど。
ということで、今後自分自身が何らかの世界遺産に関わるとしたら、おそらく観光で行くというのが一番多そうだから、その時に本著のことをふと思い出せればいいかなぁと思った今日この頃。
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