2019年10月7日月曜日

読書環境

今日読んだ本、楕円積分と楕円関数 おとぎの国の歩き方 (武部 尚志(著)、日本評論社)の感想。

最近トポロジーの本をいくつか読んだからか、表紙のトーラス(ドーナツみたいな形状)がパッと目に入って気になったので本著を読んでみることに。また、おとぎの国の歩き方というのを見て面白そうだなぁと思ったのも本著読んでみることにした理由の一つ。

難易度は大雑把にいうと、一般向けのブルーバックス等の数学の難しい本より難しく、専門書よりはちょっと易しい感じかなぁという印象。分野や難易度と関係なく、話が面白かったのが易しく感じた理由の一つかも。

文章の内容は講義形式で語りかけてくれるような内容だから読みやすかった。そして、本著を読む限りでだけど、著者が気さくな、堅い人ではない印象なのも。例えば、記号についての注釈でその辺はおおらかにとか厳密にこちらの記号を使うべきだという主張が無かったり、何種類かの記号が使われているものについても私は好みでこれを使うとか。他にも証明の終わりにお疲れ様でした!という記述があるところとか、というのは言い訳で、本当は復習したいからとかお茶目っぽいところとか。著者のその他の本、数学で物理をとかも読んでみたくなった。文章だけではなく、本著でも紹介されてたし。文章については本著とはまた全然違う感じな可能性もあるけど。

また、分野の順序について、発見されてることをb論理的に綺麗な、都合のいい順序で話が進んでいくというよりは、発見者の思考、発見した順序で進んでいく感じ。こういうことが成り立つから、ああいうことも成り立ちそう、このこととあのことは分野が違うけどなんか見た目が似てるから関係あるかもといったような順序。このことが、話が面白く感じた理由の一つかも。歴史上の天才数学者の頭の中をちょっと覗き見てるような気分に。論理的な順序での解説よりは多少冗長になる可能性もあるかもしれないけど。

他にも多くの練習問題にヒントがあるのも易しい方かなと感じた理由の一つ。もちろんヒントなしで解ければいいけど、考えてもわからない場合はヒントを見れば自分で解ける可能性も上がるだろうし、また、解答が求まった場合もヒントをみることにより理解が深まる可能性もありそうだから。

ということで、文章が読みやすくて楽しく読めたのも良かったし、また、まだ最初から最後までさっと読んだだけで、自ら練習問題に取り組むことはまだしてないから、次はじっくり読みながら、練習問題を時にはヒントを参考にしながら取り組んでいき、より楕円積分と楕円関数の理解が深まったり、その面白さを感じ取れたらいいなぁと思った今日この頃。

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