読書環境
今日読んだ本、なぜ科学を学ぶのか (ちくまプリマー新書) (池内 了(著)、筑摩書房)の感想。
科学をなぜ学ぶのかということについて、そんなに深く考えたことなかったから本著を読んでみることに。というのも、科学はどちらかといえば好き、といっても数学が好きだから科学が好きということもあって科学の分野の全般が好きということではないかもしれないけど、だから楽しい、面白いから科学を学ぶのであって、それ以外の何故ということについてはあまり気にしたことがなかったから。
内容は科学とは何か、そして科学的に考えるということについて、また科学の雑多な話がありつつ、過去の科学的な出来事も含むいろいろな出来事について、科学の視点から、あるいはより科学的な解説をしてくれていた。そして、最後に著者が考える科学することについての心構えの話といった感じ。
科学とは何か、科学的に考えるということについて、適度な感じで読みやすかった。適度とは、あまりに哲学的な話になっていくと、なんだか難しい感じがするけど、かといってそうではないと軽い話になってしまいそうだけど、そのちょうどいい程度な印象だったから。
科学の雑多な話についても、著者自身も思いつきと述べている箇所があったこともあってか、様々な分野の話があって面白かった。また、この話についてもそんなに深入りしすぎてないちょうどいい感じだったので。
社会と科学、科学がどのように社会を変えてきたか、あるいはいろいろな出来事についての科学の視点から、あるいはより科学的な詳細な解説については面白い話だけではなく、考えさせられる部分も多かった。科学の光と影、また限界についても色々と記述されていたから。
著者の考えにちょっと引っかかる部分もあった。
私は「お任せ民主主義」と読んでいるのですが、難しいことは上の人や専門家に任せ、自分はそれらの人たちが言うことに従っていれば間違いがない、…という箇所。間違いがないと判断すること、科学のこと全てを任せて自分自身で全く何も考えないというのは良くないと思うけど、場合によっては専門を信じて任せて、間違いがないではないけど信頼することも大切ではないかと思ったりも。というのも、その情報はどこから?を読んだときに書いた、
…私自身は病院にすぐ行く…という考えは本著を読んだからといって変わらなかったから。医学、医療の話だから、本著の著者の趣旨や意図、科学の話とはちょっとずれるかもしれないけど。
本著により、科学とは何か、科学的に考えること、また社会と科学等の話で科学を学ぶことの大切さは分かったし、それで何故科学を学ぶのか、その理由は分かった。ただ、タイトルとは違うものの、何故科学を学ばなければならないか、学ぶことの必然性までは分からなかった。著者はそこまで意図してなくて、私の考えすぎなのかもしれないけど。タイトルの何故学ぶかというよりは、個々の人が科学を学ぶか学ばないか判断するのに最適な内容の一冊なように感じた。
ということで、元々科学がどちらかというと好きで学んでいたものの、本著により各分野の詳細や具体的なことではなく、科学、科学的な考え方といった広い範囲から科学を考えることができたり、また、楽しみではなく実際に社会での科学の重要な役割、役に立っている、あるいは直接は役に立っていないけど大切なことなどを再認識する機会、考える機会になって良かった今日この頃。
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