読書環境
今日読んだ本、インタフェースデザインのお約束 ―優れたUXを実現するための101のルール (Will Grant(著)、武舎 広幸(翻訳)、 武舎 るみ(翻訳)、オライリージャパン)の感想。
これまで、あまりGUIアプリケーションの見える部分を作る必要性があまりなかったこともあって、UI/UXのことをあまり気にしたことがなかったけど、ちょっと気にして興味持ってみるものいいかなぁと思って本著を読んでみることに。本著を読み終えて、最初にUI/UXを意識して読む本が本著で良かったと感じた。
というのも、優れたUI/UXを構築するには感覚的なこと、美的感覚やセンスみたいなものが必要かと思ってたけど、本著はそういった類の本ではなかったから。もちろん感覚が必要なこともあるものの、殆どは技術的な話、方針や考え方の話だったから。 しかも抽象的な話ではなく実践的、具体的な例、ルールが多かった。なのですぐに既存のものに活かすことができそう。
出てきた例はスマートフォン向けアプリやWebサイトのものが多かった。割合は、Webサイトの方がちょっと多かった印象。
特に参考になった内容、考え方、方針は、標準、既知、既存のことを重視するということ。このことが感覚的なことを必要としないと思えたり、すぐに実践に活かせそうだと思った大きな理由の一つ。
このことについては、UI/UXのことをあまり気にしたことがないという人だけではなく、長い期間UI/UXに関わってきた人にも参考になりそう。というのも、あくまで想像ではあるけど、そういう人の方が自分なりの方法や感覚がより優れていると思い込んだり、それで凝ったデザインにしてしまい、標準の重要性を忘れがちな気がするから。
また、UXの話とはちょっとずれるけど、標準を重視するというのは、プログラミング作法の第8章の移植性、8.1の言語の
標準に固執しよう。ということに似ている部分があると感じて興味深かったり。プログラミング言語の話だからもしかしたら意味は違うのかもしれないけど、UXやプログラミング言語に限らず、標準になったものは長い期間議論されたり、実際に利用されていく中で定まっていったものだと考えれば、それだけ重視すべきことなのかも。
他の内容で良かったと思ったのは、訳者あとがきに、原著にはない訳者による独自の優れたUXを実現するためのルールがかなり追加されていたこと。また、注釈に日本語のWebサイトの独自の問題についての解説もところどころにあったこと。著者の意図などを翻訳を通さず直接、正確に受け取るために、邦訳された本ではなくなるべく原著を読むようにしているという人も、本著については邦訳を読むのがいいと思えるような一冊。
ということで、UI/UXにあまり関心がなかったけど、ちょっとした違いで使い勝手が全然違うことを知ることができて良かったし、実際にどうすればいいかも分かりやすかったから、このブログなど、自分自身で作成したWebサイトが優れたUXを少しでも実現できるように、今後ちょっとずつでもいいから、本著のルールに従って修正していこうと思った今日この頃。
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