数学 - 解析学 - n次元空間 - ベクトル空間 - 複素数上のベクトル空間、スカラーの範囲を実数上に制限したベクトル空間、次元、基底

解析入門(上)
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解析入門(上) (松坂和夫 数学入門シリーズ 4) (松坂 和夫(著)、岩波書店)の第10章(n次元空間)、10.2(ベクトル空間)、問題7の解答を求めてみる。

7. 
   

   複素数上のベクトル空間の 基底を

   $\left\{v_1,\dots ,v_n\right\}$

   とする。

   このとき、 C 上のベクトル空間 V の 任意の元 v は

   $\begin{array}{l}v=\sum _{k=1}^n{c}_k{v}_k\\ c_k\in \text{ℂ}\end{array}$

   と表すことができる。

   $\begin{array}{l}{c}_k=a_k+b_{k}i\\ k=1,\dots ,n\end{array}$

   とおくと、

   $\begin{array}{l}v=\sum _{k=1}^n\left(a_k+b_{k}i\right)v_k\\ =\sum _{k=1}^n{a}_k{v}_k+\sum _{k=1}^n{b}_{k}i{v}_k\end{array}$

   よって、 スカラーの動く範囲を実数の集合に制限した実数上のベクトル空間の基底は

   $\left\{v_1,\dots ,v_n,i{v}_1,\dots ,i{v}_n\right\}$

   すなわち、 次元は2 n である。

   ${\dim }_{\text{ℂ}}V=n\Rightarrow {\dim }_{\text{ℝ}}V=2n$