2020年7月30日木曜日

学習環境

解析入門(中) (松坂和夫 数学入門シリーズ 5) (松坂 和夫(著)、岩波書店)の第12章(距離空間の世界)、12.2(完備性、コンパクト性)、問題10の解答を求めてみる。


  1. g : X g ( x ) = d ( x , f ( x ) )

    とおく。

    このとき、 X の任意の元 x 、 y に対して、

    g ( x )
    = d ( x , f ( x ) )
    d ( x , y ) + d ( y , f ( y ) ) + d ( f ( y ) , f ( x ) )
    < d ( x , y ) + g ( y ) + d ( y , x )
    < 2 d ( x , y ) + g ( y )

    よって

    g ( x ) - g ( y ) < 2 d ( x , y )

    同様に、

    g ( y ) - g ( x ) < 2 d ( x , y )

    ゆえに

    | g ( x ) - g ( y ) | < d ( x , y )

    よって、 g は連続である。

    また、 X はコンパクトなので、最小値をとる X の元 aが存在する。

    a について、

    f ( a ) a

    と仮定すると、

    g ( f ( a ) )
    = d ( f ( a ) , f ( f ( a ) ) )
    < d ( a , f ( a ) )
    = g ( a )

    これは、 g が a で最小ということと矛盾。

    よって、

    f ( a ) = a

    よって a は固定点である。

    b も f の固定点とし 、 a と異なると仮定する。
    このとき、

    d ( a , b )
    = d ( f ( a ) , f ( b ) )
    < d ( a , b )

    となり矛盾。

    よって、

    a = b

    ゆえに、 f はただ1つの固定点をもつ。

    (証明終)

0 コメント:

コメントを投稿