2020年7月2日木曜日

学習環境

解析入門(中) (松坂和夫 数学入門シリーズ 5) (松坂 和夫(著)、岩波書店)の第12章(距離空間の世界)、12.1(位相の基礎的諸概念)、問題16の解答を求めてみる。


  1. d1(x,y)
    =d(x,y)1+d(x,y)
    01+d(x,y)
    =0

    よって、 Dis 1 が 成り立つ。

    d1(x,y)=0
    d(x,y)1+d(x,y)=0
    d(x,y)=0
    x=y

    よって Dis 2が成り立つ。

    d1(x,y)
    =d(x,y)1+d(x,y)
    =d(y,x)1+d(y,x)
    =d1(y,x)

    よって Dis 3が成り立つ。

    d1(x,y)+d1(y,z)
    =d(x,y)1+d(x,y)+d(y,z)1+d(y,z)
    d(x,y)1+d(x,y)+d(y,z)+d(y,z)1+d(x,y)+d(y,z)
    =d(x,y)+d(y,z)1+d(x,y)+d(y,z)
    d(x,z)1+d(x,z)

    よって Dis 4 の 三角 不等式が成り立つ。

    ゆえに

    d1

    は X 上の距離関数である。

    d2(x,y)=min{1,d(x,y)}0
    d2(x,y)=0
    d(x,y)=0
    x=y
    d2(x,y)
    =min{1,d(x,y)}
    =min{1,d(y,x)}
    =d2(y,x)
    d2(x,y)+d2(y,z)
    =min{1,d(x,y)}+min{1,d(y,z)}

    この値は

    1,1+d(y,z),1+d(x,y),d(x,y)+d(y,z),2

    のいずれかである。

    よって、

    d2(x,y)+d2(y,z)
    min{1,d(x,y)+d(y,z)}
    min{1,d(x,z)}
    =d2(x,z)

    よって

    d2

    は X 上の距離関数である。

    位相的に同値かどうかについて。

    X の任意の点 a、 任意の正の実数

    ε>0

    集合

    B(a;ε)

    の任意の元 x に対して、

    d1(a,x)=d(a,x)1+d(a,x)<d(a,x)<ε

    よって、

    xB1(a;ε)
    B(a;ε)B1(a;ε)

    また開球

    B1(a;ε1+ε)

    の任意の元 x に対して

    d(a,x)=d1(a,x)1-d1(a,x)<ε

    よって

    xB(a;ε)
    B1(a;ε1+ε)B(a;ε)

    ゆえに、

    δ=ε1+ε

    とおけば

    B(a;δ)B1(a;ε)B1(a;δ)B(a;ε)

    よって X 上の2つの距離関数

    d,d1

    は位相的に同値である。

    0<δ1<min{1,ε}B(a;δ1)

    の任意の元 x に対して、

    d2(a,x)=min{1,d(a,x)}<δ1<ε

    よって

    B(a;δ1)B2(a;ε)
    0<δ2<min{1,ε}B2(a;δ2)

    の任意の元 x に対して、

    d(a,x)=d2(a,x)<ε

    よって

    B2(a;δ2)B(a;ε)

    ゆえに

    δ=min{δ1,δ2}

    とおけば

    B(a;δ)B1(a;ε)B1(a;ε)B(a;ε)

    ゆえに、

    d,d2

    は位相的に同値である。

    (証明終)

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