読書環境
今日読んだ本、中学の知識でオイラーの公式がわかる (光文社新書) (鈴木貫太郎(著)、光文社)の感想。
小学校から中学までの算数、数学の内容そのものは憶えてるだろうけど、その範囲がどこからどこまでかはっきり憶えてないから、本著を読んでみることに。もちろん、簡単なことから進んでいくことで、オイラーの公式の理解が深まることも期待。
中学までの知識ということで、簡単な内容だったり、難しいことは飛ばしてたり、数式が出てこないような、本当に数学、あるいは数式が苦手な人のための本なのかと思ったけど、そうではなかった。数式がたくさん出てくるし、定義や定理、そしてその定理の証明もしっかりと書かれている印象。
それでも数式が苦手、数学が苦手という人でも読みやすそうな印象だった。数学のことの解説するのに数式は不可欠だし、それなしでは面白さが半減してしまうから、苦手でも数式は必要だからそこは仕方ないとして、定義の解説や定理の証明の解説が丁寧で出来るだけ易しい感じだったから。あと、オイラーの公式を導くまで、それに必要な定理を淡々と証明していくのではなく、それぞれについて、なぜそのように定義するのか、どのようにしてその定理の証明方法を思いつくのかなどの解説が分かりやすかったから。
具体的な例としては、角度についての話。何故度数法ではなく弧度法を使うのかといった話など。
著者は動画YouTubeの動画と合わせて本著を読み進めることを勧めているけど、本著のみでも十分に楽しめるし、理解できるような内容の一冊だった。もちろん、実際に動画を見ながらだとより理解が深まったり、より分かりやすかったりするかもしれないけど。
本著が面白く感じだっ理由の一つとして、他にも著者自身が数学が好きで楽しんでいるように感じられるからかも。また、おわりにに
数学もその他の全ての勉強や芸術、スポーツと同じく、「好きならやる、嫌いならやる必要はない」と書いてあるように、無理強いしている感じがないところも面白く感じる理由の一つかも。本著は解説も易しく丁寧だけど、数学や数式を苦手な人は、それでも途中でつまらないと感じるかもしれないから、途中で読むのをやめて、期間を空けてみるというのも良さそう。ちょっと触れてみるだけでも意味のあること、有意義なことだと思うし、もしかしたら本著をきっかけに興味を持ったり苦手意識がなくなるかもしれないし、あるいはやっぱり苦手だと再認識できたなら、それはそれでいいだろうし。それに、苦手だと再認識しても、ちょっと触れておくだけで、もしかしたらしばらく経ったら気になって来るということもあるかもしれないし。
本著をきっかけに、本著以上の内容を知りたくなったら、オイラーの贈物を読むのが良さそう。こちらは本著をより厳密に、また、三角関数、指数関数と対数関数、複素数それぞれについて、より詳細な話や高度な話、定理などが書かれている一冊。逆に、オイラーの贈物がちょっと難しいと感じた場合、いったん本著を読んでからオイラーの贈物を読むと、それまでよりスラスラと読めるようになりそう。オイラーの公式が富士山の山頂だとしたら、本著はキッチリ舗装された通りやすい道をまっすぐ進んでいく感じで、オイラーの贈物は自分自身で道を作りながら山頂を目指す感じ。
ということで、オイラーの公式についてはもちろんだけど、それに関連する三角関数や微分、複素数、指数関数等の基本的なことの復習のいい機会になって良かった今日この頃。
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